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2015.04.09

第4章:データサイエンスを活用しよう|勝手に読み解く「データ活用実践教室」:従来の戦略論とデータ分析を組み合わせる

戦略論の”概念”に定量性を持ち込むべし

トップデータサイエンティストが教える データ活用実践教室

本連載では、日経BP社より出版された「トップデータサイエンティストが教えるデータ活用実践教室」を、勝手に読み解いていきます。

今回は、楽天 北川拓也氏による第4章「データサイエンスを活用しよう」を取り上げます。

ビッグデータで”指標”をつくって、戦略論を実践する

本章では、巨大な顧客群を抱えるのみならず、その各顧客のIDのついた購買情報を膨大に保有する「楽天」において、いわゆる「戦略フレームワーク」を、どのように”実践”しているのか、が語られます。検索回数や検索のヒット数、顧客のアクセスログ、カテゴリ×会員ごとの購買率(=コンバージョンレート)などの、楽天ならではのデータを基にすることで、古典的な「戦略フレームワーク」を、定量的に測定可能なものにしてしまう、という取り組みなわけです。

マーケティングの基本フレームワークである「4P(Price, Product, Place, Promotion)」についての解説を抜粋します。

値段の設定に非常に敏感に反応するモノもあるし、そうでないモノもある。これまでは聞き取り調査やテストマーケティングで値段に対する顧客の反応を探ったり、類似した商品の売れ行きデータを参考にしたりしてきた。こうしたデータを手広く収集して、利益や売り上げが最大となる価格がいくらなのかについて最良の推定をデータで示すこと。ここにデータ分析の出番がある。

何を売るのかというプロダクトの面でも、これまで以上にデータ分析が深く活用されている。近年のビッグデータの強みはアンケートなどの意見データではなく、実際の行動データが取れることにある。

(中略)

顧客は言っていることとすることが異なることがあるので、行動データに基づいた分析と商品開発が重要だ。購買や口コミと言った行動のデータがよりまとまった形で分析できるようになってきたおかげで、トレンドをより早く発見することが可能だ。

売場については、(中略)オンラインではアイトラッキング(視線の計測)やマウストラッキング(マウスの動きを計測)といった技術が進んでいる。(中略)まさに小売店での「棚割り」といった概念がそのままウェブサイト上でも適用できることが分かってきた。

(中略)

リアルなて歩でも、ウェアラブルデバイスやビッグデータの分析技術が組み安房会って興味深い成果を生んでいる。例えば小売店において「定員を配置すると平均購買単価が15%向上するホットスポットが存在する」ということが(中略)発見されている。

4Pの最後のプロモーションは、データサイエンティストたちの活躍が特に際立つ分野である。代表的な例を挙げておこう。第一は広告のマッチングシステムだ。(中略)

第二にレコメンドシステムだ。(中略)

第三にポイントやクーポンといったマーケティングの効果を調べるためにデータ分析が利用されている。

これまでは、概念としての「4P」で考えていたものに対して、楽天では「定量的なデータ」を適用している、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

とはいえ、「切り口」を知らないと、使いにくい

しかしながら、これらのフレームワークを、概念レベルでしっかりと理解し、活用できる人はそれほど多くはありません。フレームワークそのものを理解していないと、いくら定量的なデータが集まっても「適用」することはできないでしょう。

では、どうすれば良いのか。ひとつには、コンサルタントを雇うことです。費用は掛かりますが、ビジネス上の課題の明確化から、最適なフレームワークの見極めをしてくれます。もちろん、最適な”指標とすべきデータ”の選定もしてくれるでしょう。

もう一つは、社内に「ビジネスの分かるデータサイエンティスト」を育成することです。とはいえ実際には、事業会社において”分析に特化したデータサイエンティスト”そのものが必要なわけではなく、「解釈に特化した人」いわば”データアーティスト”と呼ぶべきスキルが求められています。その際には、フレームワークそのものを深く理解する必要はなく、実際のデータとビジネスの実情・実態を見比べながら、何を”指標”としていくべきかを類推していくという手順になることでしょう。graffe.jpでも、実データを用いた「レベル別レポート」サービスと組み合わせた「データサイエンティスト育成講座」を提供していますが、その際に用いるレポートは、戦略コンサルタントが「ビジネス上の意思決定に繋がること」を意識して設計されています。その際の視点には、多くのフレームワークの要素が散りばめられていますので、そういったサービスを活用してみるのも選択肢の一つと言えるでしょう。

いずれにしても、データの利用目的を明らかにし、ビジネス活用をゴールと見据えた分析が非常に重要であることは間違いありませんし、そのためには、「とにかく頑張る」というやり方よりも、外部をうまく活用することが重要だと考える次第です。

トップデータサイエンティストが教える データ活用実践教室
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